【名物】
「自動人形」
【ものがたり】
「ある自動人形師の最後」
(すぎやまあつし)
*小冊子『ひかり町ガイドブック』に掲載
【ものがたり】
「ニポ・コリトの歴史」
(オギ)
*小冊子『ひかり町ガイドブック』に掲載
「あるコリトの冒険」
(オギ)
【ものがたり】
「自動人形の一族」
ひかり町には二種類の住人がいる。生きている人と動いている人だ。生きている人は町の外でも見かけるふつうの人間だが、動いている人は全身が精妙な機械じかけで出来ている。事故にあっても壊れるだけで死なない。仲間がひきとって修理すると、すぐに元気になって還ってくる。表情は乏しいが動きはなめらか。生きている人と同じで米を主食とする。細工師や時計屋よろず修理店のほか、工事現場や鳶職など危険のある職業に就くことも多い。
動いている人が営む店の看板にはよく、細く曲がりくねった字体で標語のようなものが書かれている。「コリト・エルゴ・スム」と読むニポ語で、小人がいるので我々がいるという意味。
どうやら動いている人は完全な自動制御ではなく、内部で小さな小さな、我々と意思が通じ合える生き物が操縦しているらしいのだ。
(不狼児)