しかしながら、聖霊の無選択は一人の御子のみならず多くの怪物を生んだ。忌まわしい、邪悪なものが大半だったが、
中には無辜の幼児達の殺戮を逃れていたら、もしやと思わせる者がなかったわけではない。無頭症の赤子が生き残って立ち上がり、
長じて稀代の車引として一生を終えたのは聖霊の種だったのかも知れぬ。
先頃、空港でスーツケース爆弾の持込容疑で止められた男もその末裔だったのかも知れない。
彼が持っていたスーツケースは核爆弾などではなく、神に愛でられなかったため、
正式な種類としてはこの世に存在しない生物がいっぱいに詰まった携帯用の箱舟だった。
例外と偶然が支配する聖霊の御世にこそ生きるべき彼等に、幸あれかし。空しく地に放たれし、ザーメン!
第73回競作『その他多数』
×4つ。逆選王獲得。

