2010年03月24日

「ワールド文学カップ」

紀伊國屋書店ピクウィック・クラブのブログで「ワールド文学カップ」が紹介されている。
要するに世界文学のブックフェアで、紀伊国屋書店新宿店で4月開催予定だそうだ。ブックレットもあるけどPDFなのでラインナップはよく見ていない。
それはともかく普通に見れるブログの方で、会員がそれぞれベストイレブンを選んでいる。
個性がでていて面白い。以下無断引用。

■ピクウィック・クラブ榎本のベストイレブン

FW:泉鏡花『草迷宮』
FW:ミルチャ・エリアーデ『ムントゥリャサ通りで』
MF:津原泰水『バレエ・メカニック』
MF:チェーザレ・パヴェーゼ『美しい夏』
MF:クレア・キーガン『青い野を歩く』
MF:磯崎憲一郎『世紀の発見』 
DF:アントニオ・タブッキ『イタリア広場』
DF:ウィリアム・フォークナー『アブサロム、アブサロム!』
DF:ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』
DF:中上健次『枯木灘』
GK:レフ・トルストイ『イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ』

控えFW:谷崎潤一郎『少将滋幹の母』
控えGK:コーマック・マッカーシー『ブラッド・メリディアン』


■ピクウィック・クラブ木村のベストイレブン

FW:サーテグ・ヘダーヤト『生埋め』
FW:中井英夫『とらんぷ譚』
FW:ダフネ・デュ・モーリア『鳥』
MF:フラナリー・オコナー『賢い血』
MF:レイナルド・アレナス『めくるめく世界』
MF:澁澤龍彦『高丘親王航海記』
MF:桐野夏生『グロテスク』
DF:イアン・マキューアン『贖罪』
DF:谷崎潤一郎『鍵』
DF:ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』
GK:サルマン・ラシュディ『真夜中の子供たち』

控えMF:ガッサーン・カナファーニー『ハイファに戻って/太陽の男たち』
控えGK:ロラン・トポール『幻の下宿人』


■ピクウィック・クラブ蜷川のベストイレブン

FW:ジョルジュ・バタイユ『空の青み』
MF:イタロ・カルヴィーノ『冬の夜ひとりの旅人が』
MF:G・K・チェスタトン『木曜日だった男』
MF:エーリヒ・ケストナー『飛ぶ教室』
MF:ルイ=フェルディナン・セリーヌ『夜の果てへの旅』
MF:アントン・チェーホフ『かわいい女・犬を連れた奥さん』
DF:ジュール・ヴェルヌ『八十日間世界一周』
DF:ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』
DF:ルイス・キャロル『スナーク狩り』
DF:ウラジーミル・ナボコフ『ディフェンス』
GK:レーモン・ルーセル『ロクス・ソルス』

控えFW:レーモン・クノー『イカロスの飛行』
控えDF:サミュエル・ベケット『ゴドーを待ちながら』

(レーモン・ルーセルは好きだけど、キーパーはどうだろう。明後日の方の向いていてボールに反応してくれそうにない気がするのだが。バタイユのワントップはイブラヒモビッチかドログバみたいだし、セリーヌの中盤も非常に楽しみなんだけど。トルストイやラシュディなんかいかにもGKっぽい)

■山田さんが選ぶベストイレブン

FW:エイモス・チュツオーラ『やし酒飲み』
FW:トマス・ピンチョン『スロー・ラーナー』
MF:レーモン・クノー『文体練習』
MF:村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』
MF:青木淳悟『四十日と四十夜のメルヘン』
MF:ガブリエル・ガルシア=マルケス『予告された殺人の記録』
DF:ウィリアム・フォークナー『サンクチュアリ』
DF:村上春樹『風の歌を聴け』
DF:安部公房『人間そっくり』
DF:大江健三郎『万延元年のフットボール』
GK:ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』

控えFW:大江健三郎「セブンティーン」『性的人間』
控えGK:ミゲル・デ・セルバンテス『ドン・キホーテ』

(サッカーっぽくないような。てか、なんとなくワールドベースボールクラシックという印象)

割と面白いでしょ? 普通にベストテンを選ぶと息苦しいと言うか、価値の優劣をつけているみたいで面倒だけどこれならチーム構成とか、プレーの特色を勘案して、ワールドカップで目指すプレーをイメージできる。

で、ワタクシもやってみました。まずは日本代表。

FW:種村李弘『ナンセンス詩人の肖像』
FW:加藤郁乎『牧歌メロン』
FW:稲垣足穂『ライト兄弟に始まる』
MF:筒井康隆『俗物図鑑』
MF:平賀源内『風流志道軒伝』
MF:澁澤龍彦『思考の紋章学』
DF:野坂昭如『骨餓身峠死人葛』
DF:鷲巣繁男『詩歌逍遥游』
DF:岡本太郎『今日の芸術』
DF:三島由紀夫『午後の曳航』
GK:花田清輝『日本のルネサンス人』

控えDF:高橋睦郎『眠りと犯しと落下と』
控えMF:吉田健一『怪奇な話』

小説家が少ないな。三島由紀夫は仕事量の豊富さと視野の広さをかって右サイドバックに。左に回したら怒られそうだ。泉鏡花はFWタイプじゃないし、あまりサッカーのイメージじゃない。内田百閧ヘ試合を途中で抜け出してネコを探しに行きそうだし、谷崎潤一郎はサッカー以前にスポーツに向いてない気がする。種村李弘は割りにどこでもこなせそう。中盤で使うなら作品は『ザッヘル=マゾッホの世界』か。

続いて不狼児のベストナイン←ベストイレブン

FW:J.P.マンシェット『殺戮の天使』
FW:A.ランボー『イルミナシオン』
FW:D.グーディス『狼は天使の匂い』
MF:J.バタイユ『眼球譚』
MF:A.ブルトン『黒いユーモア選集』
MF:クライスト『ペンテジレーア』
DF:J.ジュネ『花のノートルダム』
DF:W.シェイクスピア『リチャード3世』
DF:J.スウィフト『ガリヴァー旅行記』
DF:B.サンドラール『世界の果てまで連れてって』
GK:バルザック『従兄弟ポンス』

控えDF:G.アポリネール『虐殺された詩人』
控えDF:J.ヴォートラン『パパはビリーズ・キックを捕まえられない』

ヨ−ロッパに偏った。プレースタイルの適合性からいってまあしょうがないだろう。選び方に性格が出る。きわめて攻撃的なメンバー。スリートップは強力だし、スウィフトとシェイクスピアのセンターバックは鉄壁だ。ジュネはああ見えてしっかり仕事をこなしそうだしフィジカルも強そう。アポリネールはルーセルと同じで好きだけど、どうかな、という感じ。あたりに弱いし、太りすぎてあまり動けないんじゃないかな。反対にヴォートランは間違いなく使える。いざと言うとき困りそうだが、控えは思い切って趣味的にM.G.ルイス『マンク』とC.マチューリン『放浪者メルモス』の両サイドバックという考えも魅力的で捨てがたい。
posted by 不狼児 at 22:50| Comment(7) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
不狼児が下宿したの?
Posted by BlogPetのBrutus at 2010年03月25日 14:57
うわっ、これ面白いけど、迂闊に発言できるほどの読書量がないから、上手いことコメントできません。ごめんなさい。

とりあえず、ベストナインじゃなくてベストイレヴンで!
Posted by 空虹桜 at 2010年04月03日 22:35
> とりあえず、ベストナインじゃなくてベストイレヴンで!

ひゃーっ。ホントだ。恥ずかしッ――直しときました。有難うございます。
これだから校正で何も見つけられないんだなと。
WBCの話なんか出したんで、その流れで。

> うわっ、これ面白いけど、迂闊に発言できるほどの読書量がないから、上手いことコメントできません。ごめんなさい。

読書範囲が物凄く偏っているので、量自体はあまり多くないです。
「俺が読まなきゃ誰が読む?」って本が好きなんですよ。狭い趣味の中から独断で選びました。
どんどん迂闊に発言しちゃってください。

ポジションの特性を考えない選択は面白くないので、日本代表はストーリーテラーと言うより言葉を物質のように扱うタイプを揃えました。
世界選抜もそんな感じですが、チーム名は「反逆者の血統」です。
Posted by 不狼児 at 2010年04月04日 20:47
初めまして。Twitterに貼られていたリンクからお邪魔します。素敵な記事、ありがとうございます!
今、エントリー作品の中から、イタロ・カルヴィーノの『冬の夜ひとりの旅人が』に挑戦中です。

会員の方々では、やはり『百年の孤独』、強いですね。守備に置かれているのにさらに納得・・・。

>内田百閧ヘ試合を途中で抜け出してネコを探しに行きそうだし

ここに爆笑してしまいました(笑)。
私の頭では、ワールド文学カップ開催中に、何冊読めるか分かりませんが、こういう企画、楽しいですね!
Posted by mymula at 2010年04月07日 00:31
mymulaさん
ありがとうございます。
「文学ワールドカップ」は本当によい企画ですね。

こういう風に並べられると、読んだことのある本はもう一度確かめるために読み返したくなりますし、読んだことのない本は凄く読んでみたくなります。
いっぱい売れて、もっと変なものが訳されればいいな。出る出ると言われながら一向に姿を現さない「サラゴサ手稿」が往年の名選手枠に加われる日は来るのでしょうか…

本物のサッカーではいつも期待を裏切るコロンビアですが、たしかにマルケスは嫌らしく強そうです。

しかし、カフカのGKは思いつかなかった……点をとれそうな気がしないや。
Posted by 不狼児 at 2010年04月07日 22:54
 わわわ! なんか面白そう!
 ……面白そうだけど、サッカーほんとにわかんないので、巧くイメージできません。
 今ミスタイプで気付いたけど、「作家」と「サッカー」って似てるね。すみません。
 人の読書リスト覗くの楽しい。
Posted by 三里 at 2010年05月30日 13:13
三里さん。お久しぶりです

それぞれローカル色はありつつも地域限定品になってしまうと面白くないところとか、ここをこうしてこれをこう見せてとあれこれ仕組みすぎてもうまくいかないところなんか、似てますよね。サッカーと文学って。
最近は自由な空間が少なくて、プレイが少なからず息苦しいところなんかも、似ているような気がしないでもありません。こじつければ何でも似て見えるものですが……

どうもこのところ物を書くのに必要な反射神経が鈍くって、500文字にも参加できないのが悩みです。
Posted by 不狼児 at 2010年05月31日 21:43
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