2012年02月29日

ひかり町ガイドブック 「引越し症候群」

【おみやげ】
      「ハレさん水・ガネさん水」
【ものがたり】
      「あまからブギウギ」
              (穂坂コウジ)
            *小冊子『ひかり町ガイドブック』に掲載(ここにも)


【住まい】

      「枯山水と鋼の家」
  災害や犯罪、経済恐慌から逃れ、安全に暮らしたいからと、ひかり町に移り住む人もいます。 
  「枯山水の家」 はどんな洪水や大津波に襲われても一瞬ですべての水を干上がらせてしまう家。「鋼の家」は地震や火山はおろか隕石の落下にも耐えられる。ただしどちらもミニチュアで、実際に人は住めません。
  「ガレバモドキ」という囮の家はやはりミニチュアですが、起こった災難をひきつけると、身代わりになって果てしなく砕け続けるという話です。
  どこに住もうと同じことですね。
  ひかり町はそれがわかる町です。

 

【ものがたり】


      「引越し症候群」
  彼は足の裏に奈落を持っていた。同じ所に立っていると足元に徐々に奈落が開いて、落とし穴のように落ちてしまう。だから彼はひとつ所に長く住んでいられなかった。
  ある日、転入届を済ませた役場の前で死の商人と出会った。死の商人は字義通り死の商人で、彼に死を買わないかと持ちかけた。
  おいくらで?
  あなたの命とひきかえに。なにご安心ください。今すぐ死ぬわけではありません。あなたが死ぬ時が来れば、死が有効になるだけです。それまでは今までどおり、あなたは命のかわりに、死を生きるのです。
  死はどんな生き心地なのでしょう。思えば数々の身の不運は生きていることの証でした(まだ生きていると証明してみせるために、何度となく、這い上がったのかもしれない)。
  同じですよ。生と死は表裏。不運も幸運も訪れるのは否応ない。しかし死は時と場所を無効化します。そうですね。以後決して、あなたの足元に奈落が開くことはありますまい。

              (不狼児)



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500文字の掲示板のこととか

問題点がずれている。
これは障害があるとか持つとか読者に対する配慮を求める話ではない。読んだ人間が誰も不愉快にならずに済むような書き方はない。そんなものは何も言っていないと同じだ。問題点はひとえに19の作者がハンデなどという中途半端に配慮した表現を選んだ点にある。どのような考えを持とうとそれを表現するのは構わないし、読んで違うと考えた人があれば批判を受けるだけだ。しかし批判も共感もそれを正確に表現した上でのことだろう。
ハンデなどと書かず足が立たないとか目が見えないとか首から上がないとか書いてあれば、読者は足が立たないのよ目が見えないのは優しい理由にはならない、首から上がないならそれはやさしいだろう、と判断できる。頭がなければ意地悪なことも考えられない。猿の惑星に生まれた人間の個だったら、大変なハンデではあっても人間は猿より残虐ではあってもやさしくはなかろう。寝たきりの植物人間ならば、消極的な意味でしかやさしくはあるまい。あるいは単に親ばかで、やさしくもないハンデのある子をやさしいと思い込んでいるだけかもしれない。とんでもない性悪な正確な相手を愛していると思って結婚するなんてよくある話だ。
或いは、アポリネールの短編にそんなのがあったが、その子は死んでいて、双方納得して茶番を演じているのか。存在しないというのは、結婚相手として相当なハンデだ。
ただこの書き方ではそのどれかがほのめかされているとも読めず、「ハンデがあるから優しい」というハンディキャップに対する偏見を助長するような考えはけしからんと非難されるのは仕方ない、というか当然でしょう。

その種の問題を取り上げるべきかどうかと言うより、元ネタがある場合には元ネタを知らない読者にわかるように書くのが最低限必要だろうと思う次第。

なんて500文字の心臓掲示板にコピペしようと思ったがやめた。
急いで書いたから言葉遣いが乱暴だし、作者が既に出てきているのに、叩くようで嫌だし、この期に及んで失礼だ。
でもせっかく時間をかけて考えたのだからしばらく貼っておこう。

しかしホント。
不用意な一般化は危険だな。特に小説では。個人攻撃や罵倒と取られても個別具体的に扱うべきだろう。すぐに男は、女は、日本人は、と一般化しないように。具体的にこれこれではなくハンデと言ってしまうのは、ヒトラーがユダヤ人資本家の誰それを非難する代わりに、ユダヤ人一般から非アーリア人まで一般化の範囲を広げていったのと同じ轍を踏む事になる。あるいは孫正義のやり方が汚い→在日韓国人が汚い→朝鮮人悪いと拡大解釈してゆくやり方と。自戒を込めて。

posted by 不狼児 at 22:39| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月26日

ひかり町ガイドブック 「人魚売り」

【自然】
      「人魚岩」
【ものがたり】
      「人魚の休日」 
              (オギ)


【ものがたり】

      「人魚売り」
「にんぎょー、エー、にんぎょーォオー」
  人魚売りのおじさんが声を枯らして叫んでいる。
「どうせインチキだよ」
  そうは言うけど。
  夏の昼下がり。路地はうだるような暑さで、日陰に入っても汗はなかなかとまらない。僕はおじさんを呼びとめた。
「エイらっしゃい」
  天秤棒の両端にぶら下がってる馬鹿でかい桶の寸法は半端じゃない。
  桶の中には若い人魚が体を丸めて収まっている。
  蓋をあけると、顔を上げた。
「あっ」
  と思うと人魚は僕の手を捕まえて桶の中に引き込んだ。桶の水は浅いはずなのに、蓋がしまっても中は明るく、水面は広い。足がつかないのに浮いていられるのは、人魚が支えてくれるからだろう。
「お願いがあるの」
  僕は人魚をかついで天狗岩を登った。
  天狗岩は岬で一番高く、海の上に突き出している。四方は海鳥が巣をかけるような断崖だ。
  暑い。かつがれた人魚も暑いのだろう。人魚の汗は清澄な海水のようだ。霧となって漂って、僕の額を涼しくする。
  海はいつになく青い。波は静かで、水平線までわずかな白波しか見えない。日差しは強烈だ。
  ようやく頂上に達して一息。
  肩の上では人魚が身を乗り出す。
「ああいい眺め」
天狗岩のてっぺんから、人魚はくるくると回転しながら尾を振って、はるか下方の海に向かって飛び込んだ。
「ありがとう」
  海辺にはもう夕方の涼しい風が吹いてくる。

              (不狼児)

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2012年02月23日

ひかり町ガイドブック 「禁猟区の蜜月」

【あそぶ】
      「リアル・スノードーム」
【ものがたり】
      「サマー・ノイズ」
              (空虹桜)
            *小冊子『ひかり町ガイドブック』に掲載

 

【ものがたり】

      「禁猟区の蜜月」
  ブランコ・シカニック氏はひかり山レジャーランドの設計者である。この辺りはもともとヒカリジカの生息地だった。古来より肉が美味、かつ食べると内部から肌が光り輝くように美しくなると信じられ、乱獲により絶滅寸前。あとを絶たない密猟者を遠ざけるため、アトラクションは森の合間に生態系を守る砦のように配置されている。
  シカニック氏のメカニックはシニカルでコミカル。よく整備されたアトラクションは密猟者を罠にかける。来園者が歓声を上げるのはもちろんのこと。
  たとえば一人乗り用ブランコ。冬には本物の雪の天蓋からぶら下がったように見える小さな座板の上で、たった一人。客は孤独な思いに胸を絞めつけられるかもしれない。一面に広がる人工濃霧がムードを高め、キリキリと凍える軋みを上げながらワイヤーが撓んで、ブランコが大きく弧を描く。雪原すれすれをかすめる時に、雪煙が立つ。
  数匹のヒカリジカが客の頭上を飛び越えるのだ。
  雪の光に、まるでほのかに透けるようにカリジカの肌が照り映えて、忘れられない一瞬となる。何かがぶち当たる感触があってもそれは密猟者だ。気にしないでいい。
  ヒカリジカに魅せられるあまり、冬だというのに忍び込む密猟者もいるのだった。だが心配はいらない。
  不審者はたちまち迷宮に入り込む。アトラクションの方ではないよ。罠用に仕掛けられた小さな湿地だ。歩いても歩いても行きつく先はなく、茂みの外には出られない。リアル尾瀬in青木ケ原。その内に水が深くなる。溺れかかって泳いでいる間にシカニック氏のケミカルなテクニックが記憶の雪玉を越境者の中で反転させる。
  雪原に放り出された密猟者は冬を夏だと思い込み、服を脱いで凍死しかかっているという落ち。ブランコに頭をどつかれて目を覚ませば、あわてて逃げ出す他はない。
  同じブランコが夏にはヒカリジカを追う密猟者の首に輪にかけて、見せしめに空高く吊り上げるハンギングロープとなる。
  この時期、シカニック氏に慈悲はない。ヒカリジカが子育てをしているのだ。
  ひかり山レジャーランドの夏は密猟者の処刑場だ。入道雲を背景に、破れた筵旗のような亡骸が陽を浴びて、あちこちで、爽やかな風に揺れている。 

              (不狼児)

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ひかり町ガイドブック 「空飛ぶ円盤」

【おみやげ】
     「ふたごドーナッツ」 
【ものがたり】
     「当たり付き」     
              (砂場)

 

      「空飛ぶ円盤」
  ドーナツの穴を通して景色を見ると時々、空飛ぶ円盤が横切ることがある。ドーナツを外すと見えない。穴の中では糖分と油分の干渉が円盤の偏光防御を無効化し、カモフラージュを解くのだろう。この宇宙はドーナツをいくつも重ねたような構造をしている。一段また一段、ドーナツが連なって管になり管の両端がくっついてまたドーナツになる。中空のドーナツが無数につながってできた宇宙は、内部の空洞を通ってドーナツからドーナツへ移動することができる。
  空飛ぶ円盤は、自分の前世を見物にきた未来人が乗るタイムマシンだ。
  円盤がこっちへ向かって飛んでくる。
  ぐんぐん大きくなる丸窓から覗く赤ん坊のようなすべすべお肌とまんまるな瞳の未来人は、後の世のあなたかもしれない。

              (不狼児)

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2012年02月18日

ひかり町ガイドブック 「アマザキ革命」

【学ぶ】
      「光板製造工場」
【ものがたり】
      「革命前夜」
              (白縫いさや)
            *小冊子『ひかり町ガイドブック』に掲載(ここにも)


【ものがたり】

      「アマザキ革命」
  ひかり町第三小学校二年一組、アマザキ・ジュンイチロウはある日、明かりをとるために町中に張り巡らした安物の光板にハーブのスプレーをかけると特殊な光が発生することに気づいた。ハーブの種類によって光も変わる。薄荷の光を浴びると、道理でスースーすると思ったら、身につけたすべてのものが透明になっていた。こうなると服を着ている意味がなくなり、隠し事ができなくなる。給食センターで毒を盛って小学生を殺そうとしても、隠すことができないどころか、透明になったものは存在自体が効力を失うので、毒は毒でなくなって、透明な何ものかがスープに溶けるだけだ。ふしぎと人体は透過しないので体内に隠せば別だが。腹の黒いのはどうしようもない。ジャスミンの光だとあらゆる物体がぶよぶよに、オレガノでは宙に浮くほど軽くなり、セイジではごく薄く皮が剥ける。たちまち、すっぽりと剥けた彼の外皮は自分がもう一人いるみたいに完全な形だ。イラン・イランでは目が見えなくなる。これは危ない。あわてて噴霧したのは、たぶんタイムだったと思うが、光を受けると吸血鬼になる。懐かしい光に濾過された血の味は、母の胎内より好きな世界の太初を思い出させた。ラベンダーは失敗だった。光が当たったとたんに、体毛がズンズン伸びる。髪の毛も眉毛も鼻毛も伸び放題。うぶ毛はなんともならないのがおかしい。ジュンイチロウはあっという間に後ろから見たら女の子、前から見るとインドの修行僧になってしまった。これじゃ困るとハーブを変えてやってみたが、サフランだとあたたかい光が、ライムでは痛い光が降りそそぐだけで、もってきた種類も残り少ない。あるものを試したら、やっと元に戻った。光で起きた変化を全部なかったことにする光らしい。でもそれが何だったのかは秘密。せっかく現実を変えられるのに、元に戻すなんて馬鹿らしい。
  光でできた板は光を出すのは同じだが放つ光は触媒次第だ。色を変えるならまだしも、破壊光線を出そうと考える奴もいるだろう。発明者は安全装置として光板に悪意の匂いを嗅ぎとる分子構造を配置していた。悪意の波動が分子を揺らすと、光還元反応を妨害する。それで想定外の光が発散したのだ。
  町中にスプレーする必要はなかった。ハーブを浴びた嗅覚分子は隣接する分子から分子へ反応を連鎖させる。昨日いろいろ試しただけで十分だった。光板はそこいら中でまだらに光を発し、熱くなったり寒くなったり、裸になったり毛が伸びたりで大混乱。それもまた時々思い出したようにぱっと元に戻るから、原因を究明することもできず、余計に始末が悪い。店もあけられず、自動車も走れず、経済は停滞し、貨幣は価値を失った。人はそれをひかり町アマザキ革命と呼んだ。

              (不狼児)

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2012年02月17日

ひかり町ガイドブック 「キスをする前に」

【自然】
      「羽衣海岸」
【ものがたり】
      「しあわせの星」
              (タキガワ)
            *小冊子『ひかり町ガイドブック』に掲載


【ものがたり】

      「キスをする前に」
  天女の魅力にたえきれず、月は砕け散った。泣きながら天女が拾った月の破片は土曜日の海の味がする。

              (不狼児)

 

【ものがたり】

      「泳ぐ空」
  セキレイ、チドリ、ヤドカリも蟹も、潮が満ちてくるとすべては水の中に沈む。いつもは最後まで満ちる前に引いてゆくのでまだ地上は何処かに残されているけれど、ある日、海は退くことを忘れて際限なく突き進むだろう。
  砂浜に坐ってぼんやりそんなことを考えていると、突然、岩場に現れた少年が手を振った。彼が私の幼い息子であってもおかしくない。多分、事実そうなのだろう。
  死にゆく者であることの罪の意識は消しがたい。どうせ死んでしまうので、死んだ後にもまだ残る世界に対して、我々はいつもあまりにも無責任すぎる。
  ひたひたと水が意識に満ちてくると、細かに砕けた月の欠片が惹き起こす不安定な潮の干満が、今この瞬間にも波を高く持ち上げて岩場に襲いかかるのではないか、そう考えて私は軽く身構えずにはいられなかった。

              (不狼児)


          *参照「怪談銀行」(不狼児)                          


【ものがたり】

      「泳ぐ空」
  そもそも「泳ぐ空」は回帰する。永劫回帰とは「よし、そうだ。もう一度」という瞬間の回帰である。一度敗北した不狼児は何度でも、また敗れ去るのである。天女は花を撒き散らし、余はそのつど血まみれで地面に倒れ伏す。劫の敗北がリサイクルされ、「泳ぐ空」はどこにでも現れる。またもや余は失墜する。「とまれ、この時は美しい」余が口にする其の度に。イカロスのように墜落する。ツァラトゥストラのように没落する。月のように砕け散る。劫の人生が繰り返され、悟りはまだかという問いは、姿形を変えて現れる。救いはあるのか。天国は、涅槃はどこだ。「よし、そうだ。もう一度」余は呟く。そして熟れた果実のように地に落ちる。救済はなく、天国はない。すべては同じまま、何度でも繰り返す。永劫回帰の果てもなく、劫の空が重なって、巡る時が来ればいずれまた、空は泳ぐのである。

              (不狼児)
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2012年02月16日

ひかり町ガイドブック 「光の梯子」

【あそぶ】
      「ひかりが丘」
【ものがたり】
      「切り絵」
              (砂場)

 

【ものがたり】

  ひかりが丘にはときどき靴だけサッカー少年が遊んでいます。靴だけしか見えないので、ほんとうにいるのだかわかりません。よそ見をして、ボールを奪われないように。 

            (不狼児)



【ものがたり】

  芝生に寝そべって本を読んでいると、メガネ女子が近づいてきます。メガネだけしか見えないので、覗いているのが女子かどうかは知りません。そいう名前なのです。

            (不狼児)


【ものがたり】

      「光の梯子」
  ひかりが丘のまんなかに光の梯子が立っています。どこまでもどこまでもまっすぐ上に向かって伸びる金色に輝く梯子は、天国まで届いているという話です。

          *

  天に登る梯子の途中で、風に乗って雲の間から降ってくる花を見た。
  かすれた色の花々に触れた。

  もしかして、それは濡れていた?

  ――指が燃えていたよ。

          *

  ひかり町では夢は子どもたちだけのコミュニティです。大人は入り込めない。お伽話は眠りの中で子どもたち自身が話します。絵本はいらない。

              (不狼児)

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ひかり町ガイドブック 「奇計」

【地場産業】

      「南斜面の牛畑」
  ひかり町では牧畜業が盛んです。牛畑には植物性の牛が頭を出して、のんびり光合成をしています。雨が少なく、日照時間の多いこの土地は牛の肥育に最適です。時おりモーモー鳴きながら、肥料を反芻してよく太ります。乳牛は乳房が頭についています。牛が首を振るとブルブルゆれ、小さなツノが何本も生えた、大きなふうせんを載せているようです。地中の下半身から花茎を伸ばし、子牛は頭上に実るので、酪農家にとっても不便はありません。カラスやイノシシの被害にあわないように牛畑にはたいてい数匹の人面犬が飼われています。牛乳が好きでこっそり乳を吸うこともありますが、肥料を喉につまらせた牛を舐めて介抱したりもするので、大目に見られているのです。

【ものがたり】

      「奇計」
  ミノタウロスは迷宮で眠っている。
「今や遅し」
  その夢の中に音もなく歩み寄る、人の顔をした牛が言った。
「おまえはテーベから来る生贄の中の一人の少年の手によって屠られるだろう。愛する妹アリアドーネの裏切りのせいでな。テーセウスはおまえの許にたどり着き、金の糸を手繰って難なく迷宮から脱け出すだろう。おまえには未来永劫無縁な、光射す世界へ――生きるために!」
  暗い穴倉の冷たく動かぬ石壁で背中を支えて、ミノタウロスは眠り続ける。
  人の欲望が俺の体を切り刻む。
  俺は死ぬ。
  だが総てを黒く染めるのは、俺の望みではない。
  やがてミノタウロスは静かに応えた。
「おまえの顔は人の顔か。それでそんなによく喋るのだな。確かに俺は死ぬ。首を落とされて傷口から盛大に血を噴きながら、どう、とこの場に倒れるだろう。しかし俺の血に濡れた迷宮は大地の根を汚し、大地はその草を食む全世界の牛をこの血で染めて、肉を喰った、邪な考えを抱く人間どもの脳みそを片っ端から真っ白に麻痺させるだろう。足腰も立たず、涎を垂れ流し、夫は妻の、母は子の、見分けもつかず、屈辱と糞尿にまみれ、考える力を失い、叶えられなかった欲望の恨み辛みを果てしなくぶつぶつ呟きながら、哀れな末期を迎えるだろう。人間よ。白き地獄のいまわのきわに、せめて闇の底で哂うミノタウロスの声を聞くがいい」
  夢の中で、最後に人の顔をした牛がこう囁いた気がする。
  忘るるな。
  件のこと口外するべからず。
  さすれば予言と共に、おまえの呪いも成就されよう。
「今こそ、牛を喰らう全ての者に災いあれ」

            (不狼児)

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ひかり町ガイドブック 「ビールの指輪」

【アトラクション】
      「世界最小の環状線」
【ものがたり】
      「無題」
              (倉田タカシ)
            *小冊子『ひかり町ガイドブック』に掲載


【ものがたり】

      「ビールの指輪」
  小さなルビーの指輪を逆さにすると際限なく深紅のビールが注がれる。白いビールが飲みたければ、雪の女王の瞳の色を文字盤のガラスに映す時計台の時鐘に合わせて傾けると、ジョッキの中に溢れだす。黒いビールが飲みたければ憎き仇を思えばいい。緑のビールが飲みたくなったら、緑の小鬼にお願いすれば木漏れ陽がささやくように溢れてくる。だが本物の黄金のビールが飲みたいなら、自分の脚で山に登って、頂上の周囲を一巡りして、日没を待て。

              (不狼児)

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2012年02月12日

ひかり町ガイドブック 「失われた本を求めて」

【こもれび情報】
      「河北書店前ポスト」
【ものがたり】
      「投函」
                (砂場)
              *小冊子『ひかり町ガイドブック』に掲載


【ものがたり】

      「失われた本を求めて」
  書店に入ると、見かけは何のへんてつもない本棚の列。その一隅に『ひかり町ブックガイド』は置いてある。
  著者は藤原不比等。河北書店の店主で、自らも活版印刷で本を出すという奇人だ。
『ひかり町ブックガイド』にはなくした当人すら知らない失われた本の題名と在処、再び取り戻す方法が書かれている。
  タイトル頁をめくると、まずはひかり町の地図が目に入る。簡単な全体図だがそこかしこに踊る、つながり惑わし訴える、不思議な記号に満ちている。
  目次を見てどれが自分の本か探しましょう。すぐには見つからなくても、パラパラ頁をめくっていればその内に、これだと思える本に行き当たる。よく見れば装幀といい、紹介されている内容といい、いつか読んだはずの記憶が蘇ってくるだろう。
  頁を繰る手ももどかしくあなたは走りだす。それがひかり町の路地なのか、握りしめた本の中なのか、誰も知らない。列車に轢かれないように気をつけてという店員の注意にも耳を貸さず、あなたは走ってゆく。
  失われた本とあなたを隔てる線路はどんな隙間にも通っている。
  列車は不意に、轟音をたてて宿命の線路の上を全速力で駆けてくる。

              (不狼児)

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ひかり町ガイドブック 「自動人形の一族」

【名物】
      「自動人形」
【ものがたり】
      「ある自動人形師の最後」 
              (すぎやまあつし) 
            *小冊子『ひかり町ガイドブック』に掲載

【ものがたり】
      「ニポ・コリトの歴史」  
              (オギ) 
            *小冊子『ひかり町ガイドブック』に掲載
      「あるコリトの冒険」 
              (オギ)

 

【ものがたり】

      「自動人形の一族」
  ひかり町には二種類の住人がいる。生きている人と動いている人だ。生きている人は町の外でも見かけるふつうの人間だが、動いている人は全身が精妙な機械じかけで出来ている。事故にあっても壊れるだけで死なない。仲間がひきとって修理すると、すぐに元気になって還ってくる。表情は乏しいが動きはなめらか。生きている人と同じで米を主食とする。細工師や時計屋よろず修理店のほか、工事現場や鳶職など危険のある職業に就くことも多い。
  動いている人が営む店の看板にはよく、細く曲がりくねった字体で標語のようなものが書かれている。「コリト・エルゴ・スム」と読むニポ語で、小人がいるので我々がいるという意味。
  どうやら動いている人は完全な自動制御ではなく、内部で小さな小さな、我々と意思が通じ合える生き物が操縦しているらしいのだ。

              (不狼児)

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ひかり町ガイドブック 「カメラ・ノスタルジア」

【一生】
      「ビックバン」
【ものがたり】
      「わ」 
              (根多加良)
            *小冊子『ひかり町ガイドブック』に掲載


【ものがたり】

      「カメラ・ノスタルジア」
  ひかり町で写真を撮るのは困難をきわめる。住人じしんが光となって生きているこの土地では、人の姿も、立ち居ふるまい、風景も、暗すぎるか明るすぎるかで、デジタルカメラもフィルムも役には立たない。住人の放つ光が強烈すぎて受光素子が焼き付いてしまう。幼いものは光が弱いが、闇はハロゲン化銀を感光させない。年寄りは光の向こうで透けている。
  町で唯一つのカメラ屋が増えもせず、潰れもしないのはそのためだ。
  売っているのは旧式の箱型カメラ一機種で、両面を闇で挟んだ特殊な光のサンドウィッチ乾板が使える。レンズの蔽いをとると光の強度に合わせて闇に滲みでる薄明が定着させるのは、対象そのものではない。今はない、かつてそこにあったものの光跡だ。写っているのは幼い頃の自分だったり、先祖だったり、染みのない顔もいる。へえ町並はこんなだったのかと思っても、それはいつの話やら。
  スナップショットは時間をさかのぼり、光の記憶を写し撮る。自由はない。写るものが写るだけ。ひかり町の住人は現在の自分の顔を見ることはない。

                (不狼児)

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2012年02月09日

ひかり町ガイドブック 「猟亭かものはし」

【グルメ】 
      「電話食堂」
【ものがたり】
      「旅人のとまり木」 
             (松本楽志)
          *小冊子『ひかり町ガイドブック』に掲載 (ここにも

 

【ものがたり】

      「猟亭かものはし」
  お勧めは」
  鳥料理です」
  砂肝とアバラ肉のテリーヌか。ガクシチョウ?」
  鳥の名前です。姿形が美しいので名高い極楽鳥と比べると、楽士鳥の見かけは地味ですが、とても良い声で啼くので、そう呼ばれています。翼はありますがほとんど飛べません。一時期絶滅が危惧されていましたが、見かけが地味なのが幸いしたのでしょう。相当数の個体が再発見され、今ではとりあえず養殖という名目ではありますが、こうしてご賞味いただけるまでになりました」
  ではそれを」
  ボン! と音を放って炎が上がる。奇術師の皿の上にはすでに料理が。
  これは!」
  煙でも砂でもありません。ごく微細な粒子のように見えますが、楽士鳥の砂肝と胸の挽肉です。じつは楽士鳥の肋骨にはほとんど肉はついていません。薄い羽毛が生えた下に極薄の皮膚が覆っているだけです。だから嘴を開かずとも内部の響きが直接伝わって、ハープが三重奏を鳴らすような、それはそれは澄んだ音色に聞こえるのです」
  食べてしまうんですか」
  美味しいのですよ」
  希少なものを」
  黙っていれば見つかる鳥ではない。とはいえ、飛べないうえに運動神経が極端に鈍い楽士鳥はけっきょく、霞を食って生きるしかありません。霞が餌ですから、砂肝は胸肉に劣らず薄く、幻のように繊細です。挽肉の限界、と当店が自負する逸品でございます」
  軽くて、香ばしくて、舌にのせると蕩けるようなのにしっかりとした味のある、物質感の全くない、純粋な味そのものである料理。
  とある美食家からは「楽士鳥の幻の羽ばたき」と絶賛されたそうな。

             (不狼児)

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2012年02月08日

ひかり町ガイドブック 「八月の子守唄」

【自然】
      「無尽が池」
【ものがたり】
      「空の水」
              (はやみかつとし)
            *小冊子『ひかり町ガイドブック』に掲載 (ここにも)

【ものがたり】 

      「これがホントのゲリラ豪雨 in Spring」            
              (空虹桜)


【ものがたり】

      「八月の子守唄」
  朝。ひかり町の家々は腰までひたひたの水浸しで、眩しい夏の陽射しを浴びて、茫然と顔を見合わせていた。舟を持たない住人は為す術もなく、窓の外に広がる景色を眺めている。
  昨晩のことだ。
  あるものは熱帯夜の不気味な鼓動を思い出す。あるものはせせらぎの音がする夢を、また明け方より早く来た涼しさに身を震わせたことを思い起こす。
  ひかり町の上空二十メートル付近に隠された膨大な流出量を誇る水脈の噂を流したのは誰だろう。
  水を含んで膨らんだ大気のレンズこそ、町の空が青すぎる原因だと言われだしたのはいつだろう。
  現状に不満を持った若者たちはどこにでもいる。
  黒い七月団(黒い九月には苦い米が実るらしい)の組織者は、稲刈り用の古い手鎌が、水脈のある空気の層を切り裂けることに気づいていた。
消防署からはしご車を盗み、ビルからビルへ綱を張り、滑車で空中を疾走しながら、彼らは切る。切って切って切りまくる。
  大気の裂け目から湧き出す水のどうっと言う落下音。滝のように風が降り、地面にあたって跳ね返る。彼らは風をとらえ、パラグライダーで舞い上がり、さらに水脈を切り開く。鉄塔にぶつかり、感電しながらだって切る。
  夜が明けるまでに作業は完了。このありさまだ。
  正午ごろ、山から吹き降ろす風が水面に漣をたてる。
  人々は息を潜めたまま。やがて日が傾いてくる。
  一日中町を蔽いつくした大量の水は、夕暮れの赤い光の波に乗り、一斉に逆流する。突如、空の一点に出現した漏斗状の投入口に殺到した。
  渦巻く大洪水に吸い込まれるように、大気中の熱も退いてゆく。
  夏が終わる。

              (不狼児)

posted by 不狼児 at 22:02| Comment(4) | TrackBack(0) | ひかり町ガイドブック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月06日

ひかり町ガイドブック 「長考院無策寺」

【名所旧跡】

      「長考院無策寺」
  長考院無策寺は隠れた名刹として有名。首尾よくたどりつけた者はまだいない。

【ものがたり】

  (お待ちしています)

            (不狼児)

posted by 不狼児 at 22:59| Comment(2) | TrackBack(0) | ひかり町ガイドブック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ひかり町ガイドブック 「怪談銀行」

【名所旧跡】
      「光灯寺」
【ものがたり】
      「泳ぐ空」
             (峯岸可弥)
          *小冊子『ひかり町ガイドブック』に掲載(ガイド部分はコメント欄、ものがたり部分はここここにも)


【ものがたり】

      「怪談銀行」
  光妙寺は裏で金貸しを兼業している、と陰口を叩かれたりもするが、扱っているのは銭金ではない。町の住人はもとより、遠くの市町からも大勢来る。自分で体験したり、人づてに聞いた怪異な話を預けに行く。しがらみや祟る恐怖からどうしても話しにくい体験を預けるかわりに、別な話を借りることもできる。ウズウズと心が落ち着かず、黙っていられなくなった時には、かわりにそれを話せばいい。質屋じゃないので売り買いはしない。長く預けた話には銀行と同じで利息がついて戻ってくる。満期というものはない。寺が存在し続ける限り、貸し出され、返済され、使い回される話は語る人や時と場所の違いで姿形を変え、利子が利子を呼んで肥え太り、時には話に失敗して雲散霧消し、消えた話はまたどこからか現れて、残った断片が預けられ、再結合して育ってゆく。
  借りた話には利子をつけて返済する。利子が何かは誰も言わない。口にするのも憚られることだ。
  時にはネタに詰まった怪談師が姿を見せることもある。巡礼者を気取ったような貧相な身なりで、使い回されてすり切れた話やほつれてこぼれた裏話、真贋も定かではない骨董話、毛の生えた無駄話、黴びた嘘などを大量に、低利で借りては、頭陀袋に詰めて背負ってゆく。
  帰ってゆく後ろ姿は曇り空に溶けるカモメのように真っ白い。

            (不狼児)

posted by 不狼児 at 22:46| Comment(2) | TrackBack(0) | ひかり町ガイドブック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月05日

ひかり町ガイドブック 「明ける黄昏」

【名所旧跡】 
      「ひかりの門」
【ものがたり】
      「暮れる朝」 
              (空虹桜)


【ものがたり】

      「明ける黄昏」
「後家女郎蜘蛛じゃ」
  長老が教えてくれた。
  川向こうの巨石群に夏至の遅い日没の光が差すと、背景の木立はさらに暗くなった。ぶくぶくと泡立つように川面が揺れ、黄色と黒の縞模様の、蜘蛛というよりアメフラシかナマコに見える生き物が膨らみ縮み巨体を引きずって、遺跡の岸に這い上る。日没の光と競うよう、あわてて巨石にのしかかると、ビクビクと全身をふるわせ、失われし雲丹坊主との懐かしき日々、数万の棘の愛撫を想い、紫の丹田放射をまざまざと感じて、夏至の光を取り込んだ疣だらけの縞肌をいっそうまだらに明滅させる。
  後家女郎蜘蛛が秘めた触手を虚空に伸ばすと、環状列石の上空に本物の「ひかりの門」が姿を現す。
  公園にどよめきが広がる。
  歓声にも聞こえるため息が、主に地元民の口をつく。
  住民には同じ獣の血が流れている。イベントがその肌に刺青のように浮き立たせる縄文は、宝の地図か暗号か――宇宙を渡る船の民、それぞれが持つ文様が連動し、やがて星間連絡の信号を送る結晶体に成長して、同胞をふたたび故郷に導くのか。
  群衆ともども腕ふりかざし、
  うぅあぁー、うぁらぐゎー。
  まだ足りない。
  らじゃぁー、ぃやじゃぁー。
  遠く幾つもの異次元を隔てた窯変宇宙のさえずりが、獣人神楽を盛りあげる。「門」から溢れる細い細い光の束が、巨石を巡って空に差し、森を射抜いて、木々は暴風に煽られたように激しく揺れた。
  黄昏は跡形も残さず消え、ロメジュリが互に歌う永遠と、絶望は闇に溶け、午後十時。悲しげな咆哮が響きわたる中、いまだ「ひかりの門」が開くことはない。

              (不狼児)

posted by 不狼児 at 21:50| Comment(2) | TrackBack(0) | ひかり町ガイドブック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月04日

ひかり町ガイドブック 「ひかり町観光協会」

【ものがたり】

      「ようこそひかり町へ」
             (ひかり町観光協会・タカスギシンタロ)
          *小冊子『ひかり町ガイドブック』に掲載

【案内】

      「ひかり町観光協会」
  建物に入ったら受付のお姉さんが出してくれるお茶をのんで、まずは一息つきましょう。聞きたいことを尋ねる必要はありません。案内はひげの所長が一手に引き受けてくれます。所長は天井にとどくほど大きなぶどう棚を背負っていて、いつもたわわにぶどうを実らせています。あなたがお茶をのんでいると、所長はこころもち首をかしげて、一房摘んでくれるでしょう。ぶどうのひと粒ひと粒には観光客各々の行きたい場所が映っていて、食べれば自然と足が向くので、迷うことなく目的地に行き着ける。木は所長の背中から直に生えているらしい。立派なひげは顕微鏡で見ると、みっしりと小さな葉のついたぶどうの蔓だ。

            (不狼児)

posted by 不狼児 at 17:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ひかり町ガイドブック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ひかり町ガイドブック 「稲妻三人娘の像」

【ものがたり】

      「ひかり町のこと」
             (西崎憲)
          *小冊子『ひかり町ガイドブック』に掲載

【待ち合わせ】

      「稲妻三人娘の像」
  駅前で待ち合わせるなら、稲妻三人娘の像の前はいかが。銀ピカにメッキ済のブロンズ像で、三人三様に大口を開けているのでよく目立ちます。内側は開いた口から続く空洞で、時々駅のアナウンスが谺して、何か言っているように聞こえるとか。恋人どうしが待ち合わせに使うと、三人に一人が別れる、三人に二人が幸せになるからいいじゃないかなど、いろいろ言われておりますが、とりあえず像の周囲はタイルが滑るのでご注意あれ。広場を挟んだ正面のサザンウェスト劇場では悲劇しか上演しません。陰鬱な気分になること請け合い。待ち合わせに失敗した暁にはぜひご利用ください。

            (不狼児)

posted by 不狼児 at 17:28| Comment(1) | TrackBack(0) | ひかり町ガイドブック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする