「わたしの犬は左曲がり」の獣姦アイドルに対して、「うごかないで、お願いだから」と歌う七才の娼婦アイドル。乱交アイドルは「ひとりじゃないの」と十数人のバックダンサー相手にパフォーマンス。アイドルは様々。ある意味命がけだ。いや命がけの行為がアイドルを造るのかもしれない。ゴールデン・サーフ・スペシャルはいつもビキニで海に出てサーフィンしながら歌っていたが、ビッグウェーヴに乗りそこねて全員が死亡。海からとびだす一本脚がラストショットになった。現在人気絶頂のAK-48は素っ裸で自動小銃を乱射する現役テロリストの少女たちだ。顔を隠したスタイル抜群の肉体と布の陰から一瞬覗く美しい眼差しが人気の秘密。メンバーは自爆テロの度に入れ替わる。すべては交換可能で行為が命。なら人間でなくとも構わんのでは、と考えるプロダクションがあっても不思議はない。元々男性アイドルは女性が判別しやすいフェロモン以外は見た目は猿と変りない。表象能力に乏しい女の感受性とアイドルに託して観念を愛でる男の場合では基準が違う。唯一人間ではない女性アイドルKは遺伝子操作されたチンパンジーだった。発情した性器をむきだしに踊る下品な姿は絢爛たる観念の衣装と相まって、一時期観客を熱狂させた。男はわりと抵抗なく獣と交われる。女性とは反対に現物を認識する能力がないのだ。Kは人間の子を身籠って引退した。
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