少年は三界に家なき老人と野良犬と水子のブルースを歌う。
「神さまはいるよ。だから大丈夫。ぜったい」と言って少女は笑い、安達ヶ原の鬼婆のようにキラリと光る刃を研ぐ。
ホラ法螺ホラーここにもいるよ。手つなぎ詐欺の一党が。皇居前にも。渋谷にも。「日本は凄い。日本人は素晴らしい。一人ではできないことでも皆んなが力を合わせれば、なんでもできる」
人の心につけこむような愁嘆場。ビデオ・イン・ア・ヘルも大安売りだ。
新宿御苑で。希望の空に触覚を伸ばし、無数のそれらを絡みあわせて、ナメクジ星人は涙の雨にぬれ溶ける。涙の海にとけあって、我等一つになれるはず。
「さあさ、タダ働きしようよ」
笑って暮らしていけるなら、僕はもっとバカになる。
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